最近、サーフィンに興味を持った友人からサーフボード選びについて相談を受けました
自分と同じ54歳なので有無をいわせず、
7フィート前後のミッドレングスを勧めてはいますが
もう一つ、デザインやサイズと並んで悩むのが「素材」。
今や多くのサーファーが耳にする EPS(エクスパンド・ポリスチレン) と PU(ポリウレタン)。
でも、この2つって実際どう違うの?浮力や重さはどれくらい違うの?
そんな疑問を数字ベースでクリアにしてみました!
🧊 EPS vs PU ― それぞれの特徴
EPS(エクスパンド・ポリスチレン)
- とにかく軽量で高浮力
- 主にエポキシ樹脂と組み合わせて使用
- 割れにくく、環境にもやや優しい
- 反発が強く「硬い」乗り味
PU(ポリウレタン)
- 長年のスタンダード素材
- 主にポリエステル樹脂と組み合わせ
- 柔らかな「しなり」があり自然な乗り味
⚖ 素材の「比重」の違い
素材自体の比重(密度)は浮力や重さに直結する重要なポイント。
素材 | 比重(g/cm³) | 特徴 |
---|---|---|
EPS | 0.016〜0.040 | 非常に軽量、発泡度で変動 |
PU | 0.10〜0.15 | 密度高め、ズッシリとした感触 |
📦 容量(ボリューム)って何?
サーフボードの「容量」はリットル(L)で表され、体重やスキルに応じて選ぶのが基本。
平均的なボリューム例:
- ショート(5’6″〜6’4″):25〜35L
- ミッドレングス(6’6″〜8’0″):40〜60L
- ロング(8’0″〜10’0″):60〜90L
自分の体重やレベル、スタイルに応じて、適正リットル数を選ぶことがライディング快適化のカギになる!?
📊 【検証】同じ30Lのボードで浮力はどれくらい違う?
理論的な浮力(アルキメデスの原理)
- 水中に沈んだ物体は、排除した水の重さと同じ力で押し上げられます。
- つまり、ボードの体積(=容量)が同じなら、浮力そのものは同じです。
30LのシェイプのボードをEPSとPUそれぞれで作った場合、
浮力の理論値はどちらも同じ:約30kg。
※水の密度を 1.0 g/cm³ = 1000 kg/m³ とする
※サーフボードが完全に沈んだと仮定
理論的最大浮力 = 排水量と同じ重量の水の重さ
でも、素材の重さが違うため、
使える浮力(余力)には差が出ます。
素材 | 推定ボード重量 | 使える浮力(kg相当) |
---|---|---|
EPS | 約2.2〜2.7kg | 約27.8〜27.3kg |
PU | 約3.5〜4.5kg | 約26.5〜25.5kg |
👉 EPSの方が1〜2kgぶん「余裕がある」=パドリングが楽、波キャッチが早い!
📏 ただし!浮力は形状や接水面積にも左右される!
最近のサーフボードのスペックには記載される容量は浮力の目安になります
確かに理論上の浮力は容量で決まりますが、
「感じる浮力」はフォルム、ロッカーの深さなど、接水面積やボードの形状に大きく影響されます。
接水面積が広いボード
- 広い面で水に浮きやすい
- パドリングが楽、安定しやすい
- 小波用や初心者向けに◎
接水面積が狭いボード
- 水に沈みやすい(=レールが入れやすい、荷重しやすい)、反応が敏感
- ターンやスピード性能に優れる
- 上級者向きのパフォーマンスボードに多い
長さや幅で接水面積に勝るミッドレングスやロングボードの方が「感じる浮力」を得られるってこと
浮力=体積だけではなく、面積と形状も重要
容量が同じでも、ボードの幅・厚み・ロッカー形状などで、 パドリング時や波に乗ったときの「感じる浮力」や「安定性」は大きく変わります。
つまり、「30Lだから浮くはず」と思っても、設計によって全然違う乗り味になるのがサーフボードの奥深さです。
で、その友人に何を勧めるかって?
まずはこれかなと
WOOD SKIN サーフボード ミッドレングス MID02
自分も縁があってこいつの別モデル MID01 (サイズ6’4 / 40ℓ)を安く提供していただき乗っています
自分が最近メインで乗っているのは PU製6’6のミッドレングスですが
ヒザ〜モモ・コシ程度の小波の時は幅広のEPSパフォーマンスフィッシュ

もしくはこのEPS製のMID01で出動することが多いです

EPS製、ロッカーもかなり抑えられていて体感浮力がかなりあり、テイクオフはバカっ早
周りのショートライダーを置いてけぼりに出来るドーピング板です
- 反面、レールも極厚で入りづらく、荷重してもあまり沈まず、
ドライブするようなターンは非常にしにくい - オフショア強すぎる時には意識しないと板が落ちていかない
などの一長一短
ある程度の経験者にとってはメインボードにはならないかな…
とは言っても
どんなポイントで主にサーフィンをするのか?によってその考え方は変わるのでそこは人それぞれ
湘南や千葉南 J’sの端っこ、千倉など波のサイズ・パワーともに小さめのビーチブレイクだと
まさにドーピング板として武器になるはず
💡
暖かくなってセミドライもいらなくなり、気軽にサーフィンを始められる季節
波乗りを始める初心者・始めてまもない初級者が最初に1枚板を選ぶとしたら
この板のチョイスはとてもリーズナブル
以下の理由でオススメします
- 価格もお手頃
- ボードの扱いが雑でもそれに耐えうる頑丈なEPS
- 体感浮力がかなり大きく、
最初に感じて欲しい”波に押される感覚”を掴むにはGOOD
ステップアップしてもっと操作感を味わえるような新しい板が欲しくなったり
自然の偉大さに屈し、サーフィンに挫折して手放すことになったとしても
リセールバリューは高そうなのでご安心を(笑)